イギリスのワーキングホリデー申請要項などを見てみると、『NHS』という文字を目にするでしょう。
これはイギリスの健康保険です。現在イギリスにワーキングホリデーで行く人は、全員加入が必須となっていて、保険料は600ポンド(2019年現在)と定められています。
私がイギリスでワーホリをした時には、強制加入ではなく仕事をする場合のみ加入が必要だったのですが、現在は強制加入でしかも保険料も高額なので、NHSがどんなものなのか、そして他に保険に加入する必要があるのかが気になっている人もいるでしょう。
この記事では、イギリスワーホリ中の保険についてご説明していきます。
目次
イギリスワーホリで強制加入の『NHS』とは
NHSとはイギリスの健康保険・医療機関サービスのことです。
NHSに加入していれば、イギリスの公立医療機関で治療を無料で受けることができます。
従来はNHSの保険料を払っていない外国人留学生・ワーホリビザ保持者などでもNHSで無料で治療を受けることができたのですが、現在ワーホリの場合は保険料の支払いが義務付けられています。
NHSで受けられるサービスは、以下の3つがあります。
- GP(かかりつけ医)やNHS(公立医療機関)での治療
- 救急車の利用
- NHSでの医療アドバイスやサポート
治療が受けられるのは、公立医療機関に限られていて、私立の医療機関では無料での治療は受けられません。
また歯科治療はNHSではカバーされていないことにも注意です。
たとえばロンドンにはいくつかの日本人向け医療機関がありますが、これらの医療機関は全て私立(プライベート)なので、日本語で治療を受けようと思ったら、NHSへの加入だけでは不十分です。
とはいえ、NHSの医療機関では外国人の治療も慣れているので、英語がそこまで出来なくても治療で困ることはないでしょう。
NHSの医療機関とはどんなところ?
イギリスの公的医療機関がどんなものかも少しご紹介します。
私はイギリス滞在中、家でガラスで手を切って大量出血したことがあり、たまたまその場にいた人が救急車を呼んでくれました。
救急車の中では2人の救急隊員がいて、私をどこの病院に運ぶかの相談をしていました。
その会話からすると、治安の悪い地域や貧困地域の病院は良くないようです。
医療の質が悪いというよりは、その場にいる患者さんたちの質のことなのかもしれません。
その結果、私は少しだけ家から離れた高級住宅街の近い病院に連れて行かれました。
そこで受けた治療は、切った部分の縫合と抜糸です。ドクターはとても優しく、英語についても難しいと感じなかったので、きれいな英語を話してくれていたのでしょう。救急隊員たちもとても優しかったです。
ただ私は救急車で運ばれたので、割とすぐに治療を受けることができたのですが、そうでない場合は待ち時間が長いようでした。
NHSの医療機関では、怪我をした時だけではなく、風邪をひいた時や婦人科系の不安があるときでも治療が受けられます。
ただ、イギリスでは風邪をひいたくらいで病院に行く人は少なく、まずは薬局などに行くのが主流です。
海外留学・ワーホリ保険にも入っておくこと
上記のとおり、NHSではしっかりした治療を受けることができますし、ちょっとした病気や怪我のときにはNHSの医療機関に行けば十分です。
しかし英語がほとんどできない人や、治療は日本語でないと不安だという場合は、日本語が通じる医療機関に行くことになります。
また歯科治療も公的医療機関ではカバーされていません。
そのことを考えると、NHSさえ入っておけば、海外留学・ワーホリ保険は必要ないということではなく、どちらにも加入しておくことがベストです。
海外留学・ワーホリ保険では、キャッシュレスで治療が受けられるサービスもありますし、病気や怪我の際だけではなく、火災保険のようなもの、盗難に関する保障、ロストバゲージ時の保障なんかもついています。
病気・怪我のときにはNHSを利用するつもりなら、海外留学・ワーホリ保険でも、フリープランと言って保障内容を自分でカスタマイズできるタイプのものがおすすめです。
そうした保険で、疾病治療の部分を少し額を減らし、必要な部分を足していけば、万が一のときにも安心でしょう。
90日以内のワーホリや留学なら、クレジットカードの保険も使える
NHS保険に加え、ワーホリや留学専用の保険に加入すると費用も高額になります。
もし、ワーホリや留学の期間が90日間以内であれば、クレジットカードに付いている海外旅行保険の利用もおすすめです。
保証内容は専用の保険に比べると劣りますが、2枚組み合わせたり、足りない部分だけ専用の保険に加入するなどの方法でカバーすることも可能です。
以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧になってみてください。
まとめ
今回はイギリスワーホリ中の保険についてご説明しましたが、疑問は解決したでしょうか。
NHSの保険料は高いと思うかもしれませんが、病気や怪我の際には無料で治療が受けられます。
海外留学・ワーホリ保険と組み合わせて、賢く利用するといいでしょう。
次の記事では、イギリスの仕事の探し方についてご紹介いたします。
【ライター:poohish】
過去のイギリス滞在歴5年弱。学生ビザで約3年、ワーホリビザで約2年滞在していました。ワーホリ中はスタバとオフィスでWワークの時も。現在はフリーランスでライターと語学・旅関連のお仕事をしながら、海外に住んでいるときもあります。
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