ワーホリ(ワーキングホリデー)に行く際には、海外旅行保険に加入するかどうかを検討するかと思いますが、中には、『クレジットカードについている海外旅行保険』があるから、わざわざ一般の海外旅行保険に加入する必要はないだろう。と考える方もいらっしゃるかと思います。
ただし、クレジットカードに付いている海外旅行保険の保証内容だけでは、1年間のワーホリを過ごすためには不十分。できれば一般の海外旅行保険に加入することが望ましいです。
しかし、どうしても費用を抑えたいという方もいらっしゃるかと思いますので、この記事で『クレジットカード付帯海外旅行保険の活用方法』や『おすすめの保険付きクレジットカード』などをご紹介していきます。
ワーホリでは基本的にクレジットカード付帯海外旅行保険のみはおすすめしない
まず最初にお伝えしたいことは、クレジットカード付帯海外旅行保険だけでワーホリに行くことはおすすめしないということです。
その理由は、以下の4つです。
- 保険期間が長くても90日間
- 保障内容・保障金額が十分でない
- サービス内容に不安がある
- 保険の利用時に制約がある場合がある
それぞれ解説していきます。
【ワーホリにクレジットカードの保険が十分でない理由①】保険期間が長くても90日間
保険の適応期間は、クレジットカード会社によって異なりますが、最長でも90日間です。
ワーホリに行く方は基本的に1年間だと思いますので、もしクレジットカード付帯海外旅行保険のみの場合、残りの約270日間を無保険で過ごすことになってしまいます。
また、基本的に日本国外から、日本の海外旅行保険に加入することはできません。
すなわち、最初はクレジットカード付帯海外旅行保険で渡航し、保険期間が切れたら海外旅行保険に入ればいい。という方法は使えないのです。
【ワーホリにクレジットカードの保険が十分でない理由②】保障内容・保障金額
クレジットカード付帯海外旅行保険では、保障内容や金額が不十分です。
クレジットカード付帯海外旅行保険の場合、高くても300万円の場合がほとんど。
これぐらいあれば十分かと思うかもしれませんが、もし、海外で病院にかかることになった場合の医療費が、どれぐらいかご存知でしょうか?
以下の例をご覧ください。
- オーストラリアで転倒し、足を骨折。ヘリコプターで設備の整った病院へ搬送。手術後に13日間の入院をした場合。→約650万円
- カナダで急に意識が朦朧とし救急車で搬送。診断の結果、脳炎で20日間の入院。医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送された場合。→約3800万円
このように、海外で保険がない場合は驚くほど高額な医療費を請求されることになり、クレジットカード付帯海外旅行保険では、到底まかなえる金額ではありません。
以下の表では、一般的な海外旅行保険(AIGワーホリ保険)とクレジットカード付帯海外旅行保険の保証金額を比較しています。
AIGワーホリ保険 8Q4プラン 歯科治療なし | エポスカード | 楽天カード | 三井住友カード | |
期間 | 90日間 | 90日間 | 90日間 | 90日間 |
料金 | 68,690円 | 無料 | 無料 | 無料 |
傷害死亡・後遺障害 | 障害死亡 3000万円 障害後遺症 90〜3000万円 | 最高500万円 | 最高2000万円 | 最高2000万円 |
傷害治療費用 | 無制限※1 | 200万円 | 200万円 | 50万円 |
疾病治療費用 | 2,000万円 | 270万円 | 200万円 | 50万円 |
賠償責任 | 1億円 | 2000万円 | 2000万円 | 2000万円 |
救援者費用 | 無制限※2 | 100万円 | 200万円 | 100万円 |
携行品損害(荷物や持ち物の盗難や破損の保証) | 50万円 | 20万円 | 20万円 | 15万円 |
キャッシュレス診療 | あり | あり | あり | あり |
自動付帯/利用付帯 | – | 自動付帯 | 利用付帯 | 自動付帯 |
このように、一般的な海外旅行保険とクレジットカード付帯海外旅行保険を比較すると、補償額の差にかなりの違いが出てきます。
しかし一般的なワーホリ保険は料金もそれなりにかかることがデメリット。ワーホリ保険は3ヶ月で68,690円、1年間だと276,430円と、支払う金額もそれなりにかかってきます。
【ワーホリにクレジットカードの保険が十分でない理由③】サービス内容に不安がある
一般的な海外旅行保険とクレジットカード付帯海外旅行保険では、当然ながらサービス内容の厚みが異なります。
海外で医療を受ける際、高額な支払いになることが予想される場合は、キャッシュレスサービスが当たり前です。
もしキャッシュレスサービスがなければ、医療を受けることすらできないこともあります。
また、英語力に不安がある場合、医師の質問にしっかりと答えることができるか不安ですよね。そのために通訳サービスが使える方が安心です。
キャッシュレスサービスと通訳サービス、この2つが海外旅行保険に付いていないと、海外で医療を受ける際には不十分といえるでしょう。
クレジットカード付帯海外旅行保険に、これらのサービスが揃っていることはなかなかありません。
【ワーホリにクレジットカードの保険が十分でない理由④】自動付帯と利用付帯、保険の制約に注意
クレジットカード付帯海外旅行保険には、以下2種類があり、それぞれ制約が異なるため注意する必要があります。
- 自動付帯・・・クレジットカードを保有していればその保険が有効
- 利用付帯・・・保険を適応する場合は、旅行代金をそのクレジットカードで支払っている必要がある(航空券・レンタカー・宿泊費など)
利用付帯の場合は注意が必要です。ご自身の保有しているクレカが利用付帯と知らずに、何かあった場合に利用しようと思ったら、そのクレカで決済をしていなかったために利用できなかった、なんていうことも起こりかねません。
このような理由から、クレジットカードの海外旅行保険だけでは、1年間のワーホリを安心して過ごすには不十分であるといえるでしょう。
それでもクレジットカードの保険でワーホリに行きたいという方のために、次の段落から『クレジットカード付帯海外旅行保険のか活用法』について解説していきます。
ワーホリでクレジットカード付帯海外旅行保険の活用方法
一般的な海外旅行保険に比べると十分とは言えませんが、クレジットカード付帯海外旅行保険のみをうまく組み合わせて活用することで、ワーホリの海外旅行保険として使う方法は以下のとおりです。
- 複数枚のクレジットカードを保有し補償額を合算する
- 自動付帯と利用付帯を組み合わせる
- 不足分は一般の海外旅行保険のフリープランに加入する
それでは、それぞれ解説していきます。
【ワーホリでクレジットカードの保険を活用する方法①】複数枚のクレジットカードを保有し補償額を合算する
クレジットカード付帯海外旅行保険の医療費保障は、高くても300万円がほとんどです。
しかし、海外で骨折などの医療費は500万円を超えることはざらにあります。
そのため、300万円の保障では不十分。
この問題を解消できる方法が、クレジットカードの複数枚保有による保障金額の合算です。
例えば、300万円の医療費用補償額のクレカと、200万円の医療費用補償額のクレカがあれば、この2枚の補償額を合算することができるのです。
この場合は500万円になります。
以下の表は、エポスカードと楽天Masterカードを組み合わせた場合の具体例です。
エポスカード | 楽天カード | 合計 | |
傷害死亡/後遺障害 | 500万 | 2000万 | 2000万 |
傷害治療費用 | 200万 | 200万 | 400万 |
疾病治療費用 | 270万 | 200万 | 470万 |
賠償責任 | 2000万 | 2000万 | 4000万 |
携行品損害 | 20万 | 20万 | 40万 |
救援者費用 | 100万 | 200万 | 300万 |
また、この合算には上限がないため、3枚、4枚と合算することで医療費用補償額を増やすことができます。
ただし、すべてのカードや保障が合算できるわけではありません。以下の点に注意してください。
- 死亡保障の合算はできない
- 同系列のクレジットカードは合算できない
それぞれ解説します。
死亡保障の合算はできない
保障費用を合算できる項目は、死亡・後遺障害保障以外です。
そのため、上記の表では、死亡保障は2000万円となっています。
同系列のクレジットカードは合算できない
例えば、VISA同士、MASTER同士、AMEX同士、JCB同士というように、同系列のクレジットカード会社同士の合算はできません。
そうすると、必然的に合算できるのは最大で4枚までとなります。
【ワーホリでクレジットカードの保険を活用する方法②】自動付帯と利用付帯を組み合わせる
まず、渡航直後は90日間の自動付帯(※1)の海外旅行保険を使用します。
90日後の保険適応期間が終了後、利用付帯(※2)のクレジットカードを使用し、さらに90日間延長します。
これで合計180日間は、無保険にはなりません。
ただし、保障内容をしっかりと確認しておくことが重要です。
(※1)自動付帯・・・クレカを保有しているだけでその保険が利用できる
(※2)利用付帯・・・そのクレカで旅行代金を支払うことによってその保険が利用できる
【ワーホリでクレジットカードの保険を活用する方法③】不足分は一般の海外旅行保険のフリープランに加入する
一般の海外旅行保険には、フリープランを取り扱っている保険会社もあります。
フリープランとは、必要な保障内容のみに加入することができるプランです。
例えば、クレジットカード付帯海外旅行保険をベースとして、不足している『キャッシュレス診療サービス』『通訳』といった保障内容のみ、フリープランで補充する、といった方法です。
ワーホリにおすすめの保険付きクレジットカード
ここまで、クレジットカード付帯海外旅行保険の活用方法をご紹介してきました。
それでは、ここでこれらの方法を利用するためにおすすめの保険付きクレジットカードをご紹介いたします。
ブランド種類・・・V(VISA)・M(Master)・J(JCB)
エポスカード
- ブランド種類・・・V・M・J
- 適用条件・・・自動付帯
- 治療費用・・・ケガ200万円
- 治療費用・・・病気270万円
- 死亡保障・・・500万円
- 賠償責任・・・2000万円
- 携行品・・・20万円
- キャッシュレス診療・・・あり
- 年会費・・・無料
三井住友VISAカードクラシックA
- ブランド種類・・・V
- 適用条件・・・自動付帯
- 治療費用・・・100万円
- 死亡保障・・・300万円(費用をカード支払いで2000万円)
- 賠償責任・・・2500万円
- 携行品・・・20万円
- キャッシュレス診療・・・あり
- 年会費・・・初年度無料(2年目以降1500円)
楽天カード
- ブランド種類・・・V・M・J
- 適用条件・・・利用付帯
- 治療費用・・・200万円
- 死亡保障・・・2000万円(費用をカード支払いで2000万円)
- 賠償責任・・・2000万円
- 携行品・・・20万円
- キャッシュレス診療・・・なし
- 年会費・・・無料
また、以下の記事でもワーホリにおすすめのクレジットカードをご紹介していますので、ワーホリでクレジットカードを選ぶ際の参考にしてみてください。
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