【最新版】バックパッカー税などワーホリに関する法律はこう変わる

バックパッカーやワーキングホリデーメイカー達はオーストラリアの観光産業にとって大きな存在であり、彼らがオーストラリアにもたらす経済効果は434億ドルと言われています。更に彼らは農業や園芸、ホスピタリティーの業界で貴重な労働力となっています。大都市から遠い農村地帯や人里離れたリゾートはオーストラリア人があまり住みたがらないので、外国人の労働力なしでは成り立たないところも多いのです。

そんな中、「バックパッカー税やワーホリの年齢制限の引き上げなど、近々ワーホリ制度が大幅に変更される」というニュースや噂がここ数年囁かれていました。バックパッカーの所得税が一律32.5%に?と思ったら19%になったり15%になったり。年齢制限が30歳から35歳になる?

結局のところ、現在のところ、何が可決された案件なのか、そして何がすでに適用されているルールなのかご紹介したいと思います。

ワーホリメイカーの所得税(バックパッカー税)

2017年1月からワーキングホリデーメイカーは、年収$1~$37,000で所得税率15%、年収$37,001~$87,000で所得税率32.5%、年収$87,001~$180,000で所得税率37%、年収$180,001以上で所得税率45%となりました。

以前は同じワーホリメイカーでも、居住者か非居住者かによって所得税率が異なっていました。同じ場所に長く住むと居住者扱いになり、年収18,200ドル以下は非課税だったのです。(32.5%の所得税が給料から一旦天引きされてはいましたが、確定申告をすると返金されていました。)ところが2017年1月からの新ルールでは、ワーホリメイカーは全員非居住者扱いになり、非課税枠がなくなりました。その代わり年収37,000ドルまでの税率が15%と引き下げられ、懸念されていたバックパッカーの更なる減少を食い止める一応の努力がなされました。

これまでタックスリターンをすると税金が戻ってきていたワーホリメイカーにとっては少々痛い変更です。

現在給与を現金で支払われている(Cash in hand)人にとっては今回の変更で特に変わる事はありません。しかしCash in handの事業主は正当な税金の手続きをしていないところも多いので、今回のバックパッカー税をきっかけに、今までより厳しい取り締まりの対象になるのではないかと言われています。

スーパーアニュエーション(年金)

税率が上がったのは所得税だけではありません。オーストラリアの雇用主は税金の他にスーパーアニュエーション(年金)も給料から天引きして積み立てています。ワーキングホリデーが終わった時に、その積み立てた分を返金してもらうことが可能なのですが、返金時に税金がかかるのです。今回はその税率も上がりました。2016年まで38%だったのが、今回の変更により65%に。例えば$1000のスーパーアニュエーション積み立てがあり、返金を申請したとします。すると2016年までだと$620返ってきていたのが、2017年からは$350しか返ってきません。一時期は税率が95%になると発表された時もあったので、それに比べればましなところに落ち着きました。

ワーホリビザで同一の雇用主の元で働ける期間

せっかく気に入った仕事に就けて慣れた頃に辞めなくてはならなかった今までのワーホリメイカー。ワーキングホリデービザでは同一の雇用主の元で6ヶ月より長く働けないことになっていましたが、2017年からは同一の雇用主の元で12ヶ月間まで労働できるというルールが可決されました。ただし、後半の6ヶ月は前半の6ヶ月とは異なるロケーションでなければならない、という条件付きです。つまり12ヶ月間同じ会社の同じ支店では働けないが、同じ会社の2つの支店を6ヶ月ずつに分ければ働いても良いという事になります。

ワーホリビザ申請料金

2017年1月から、$440から$390に値下がりすると発表されていたワーキングホリデービザ申請料。オーストラリアに来る前にかかる費用をできるだけ抑える事によって、オーストラリアに来てから少しでもお金をたくさん使ってもらえるように、という理由からです。

しかし2017年3月現在、政府のイミグレーションホームページ上ではまだ適用されていません。

年齢制限変更

ワーキングホリデーの年齢制限が30歳から35歳に引き上げられると発表され大きな話題になりましたが、こちらも2017年3月現在まだ適用されておらず、ワーキングホリデーの年齢は18歳から30歳までのままです。現在、日本とワーキングホリデーの協定を結んでいる16カ国全ての国の年齢制限が18歳から30歳となっています。

PMCの値上げ

PMCとはPassenger Movement Chargeの略で、オーストラリアを出国する際に国に払う料金です。通常航空券の料金の一部として航空会社を通じて払っていますので、何度もオーストラリアを行き来してても聞いた事がないという方もいると思います。現在PMCは$55ですが、2017年7月からは5ドル値上がりして$60に変更されると発表がありました。

オーストラリア政府の発表によるとワーホリビザでオーストラリアに来る若者は2012年以降減少しており、政府は観光業を充実させ更に世界中からバックパッカーを呼び込もうとしています。その過程でワーキングホリデー制度上のルールも頻繁に変更されています。常に最新の情報をチェックするようにしましょう。

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